このブログの支配人である大夕張のコロの物語です。2020年9月29日にamebaブログにて記載した記事です。
大夕張のコロ
はじめまして！僕は大夕張で生まれた山猫。
名前は「ころ」。
夕張ダムの工事現場事務所で育った山猫なんだ。
弟の「サビ」と一緒に黒猫のお母さんに育てられ、
夕張ダム建設の事務所に居候されてもらってたんだ。
ダムの作業員にもたくさん遊んでもらって不自由のない生活をしていたのだ。
紅葉が進んだある日、見慣れない作業服を着たお兄さんが近寄ってきたから遊んであげたよ。
お兄さん作業しないでたくさん遊んでくれて、
最後にまた遊ぼうねって言って立ち去っていった。
お偉方もいるのに猫と遊んでるとんでもないやつってイメージしか覚えていないよ。
ダムが完成してしまい・・・
それから少し経って夕張ダムが完成したんだけど、
ダムの作業員が少しずつ減っていったんだ。
１１月になるし霜も降りて寒くなってきたよ。事務所の中に入れてくれないかな？
雪が降ったら凍えて死んじゃうよってぐらい夕張の冬支度が進んでいったんだ。
ある日、朝起きたら工事事務所の解体が始まった。なんで解体するのかな？
建物が無かったら寒くて凍えちゃうよ。サビ君は体が細いから心配だ。いつも震えてるよ。
こうなったら砂利と草むらしかないから兄弟でくっついて暖まるしかない。
春まで我慢できるかな？早く暖かくなるといいな！
絶望の一週間
ついに事務所がなくなって原っぱになってしまった。
えさの入ったボールだけ残されて・・・この先どうなるのかな？
こんな場所に取り残されてどうすれって言うんだ。
サビも呆然としていたよ
何日たったのかな？餌をくれる人が現れてはいなくなって・・・
こんな寒い場所にいたら死んじゃうよ。
餌くれる人がいるだけでも幸せなのかな？？
数日たったある日、のどが乾いたから水を探しに行ったんだけど
戻ったらサビ君の姿がなかった。どこ行ったのかな？
ひとりぼっちじゃ寂しいよ。
木に登って探してみたけど近くにはいないみたい。
降りるときに前足怪我してしまった。
歩くと痛いよ。治るまでじっとしよう。
おなかも空いてきた。ずっと何も食べてない。
もう限界だよ。
誰か助けて・・・・
救世主現る
数日がたって寒くてじっとしていたら・・・
「おーい！！」
「いるかー？」
「返事しろー！」
遠くから何か聞こえる・・・
草むらから出る元気もないよ。
近くまできてよ・・・
あっ近くまできた！！
最後の力を振り絞って叫ぼう。
たすけてー！！！！！
「あれ？まじであのときの猫？ガリガリじゃん。しかも一匹で・・・」
「ちょっと待ってろ。電話するから・・・」
「例の子猫いたから連れて帰ってもいい？うん。わかった！なんとか捕まえる。」
こうしてこのお兄さんにだっこされ連れて行かれたんだ。
移動中の車は暖かかった。２週間ぶりかな？ぐっすり眠れたんだ。
「鳴き声聞こえないけど生きてるのかな？あっ生きてる」
「あと少しで札幌の家につくよ。ご飯も用意してるから頑張れ！」
こうして僕は救出されたんだ。
あとから聞いた話だけど、次の日からずっと雪であぶなかったらしい。
見つけてくれてありがとう。たすかった！
弟のサビは数日前ボランティアの人たちに救出されてらしい。
たまたま違う猫がサビと一緒にいたみたいで、
二匹救出したから撤退したみたい・・・
元気にしてるのかな？
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